+2 透湿度 通気性

1.透湿度
■ 日にち、気温、湿度

11月2日(木) 恒温恒湿室 20±1℃、65±2%

■目的

寝具に適した素材を調べる!

■ 実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾
各試料布を直径45㎜の円形に1枚ずつ切り取る。

*測定項目*
カップの中に底から約15㎜の所まで水を入れる。恒温恒湿室におき、30分毎でカップの重量をてんびんで測り水蒸気の透過量を求める。

* 方法*
蒸発法
カップの半分まで水を入れ、その上に試料を載せる。更にその上にガラスリングを載せて試料が動かないように、ガラスリングと外淵の間に溶かしたロウを注ぎ固める(パラフィンで封をする)。試料を付けていない基準となる物と、上の4つの試料を付けた物合計5つ用意する。
②この5つを恒温恒湿室に持って行き、スタート時のカップの重量をてんびんで測定する。
③恒温恒湿室に置いておき、30分おきにカップの重量を測定する。
(スタート時から2時間後まで測定する)




■ 結果

  30分後 1時間後 1時間30分後 2時間後
さらし 67.11 67.91 44.33 48.81
綿ポリブロード 85.53 86.57 47.36 55.6
綿ブロード 90.79 81.34 45.6 51.19
金巾 86.84 86.57 45.85 54.92
平均 81.1433333 80.5975 45.785 52.63

■ 考察


このグラフからさらしが他の試料に比べて比較的透過量が少ない事が分る。金巾、綿ブロード、綿ポリエステルブロードはほぼ同じくらいの透過量であるが中でも、金巾と綿ポリエステルブロードがやや透過量が多い。

30分後や1時間後は約80gずつ透過している。そして、1時間30分後からは透過量が約45gと急激に減少していることが分る。しかし、2時間後にはまた透過量が少しではあるが増加している。何故なのだろうか…。このグラフから見てもさらしの透過量の少なさはよく分る。
2.通気度
■ 日にち、気温、湿度

1月12日(木) 実験室 21℃、56%

■目的

寝具に適した素材を調べる!

■ 実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、デニム

*測定項目*
穴の上に生地をのせて、合う大きさのノズルを探し、合ったノズルで試験片の両面の圧力差を水柱12.7㎜になるように吸い込みファンの回転を調節し、その時の垂直型気圧計を読み取る。これを5箇所行う。表によって試験片を通過した通気量を求め、平均値で表す。

* 方法*
フラジール型方
①装置が水平に位置しているか確かめる。
②気孔の上に試料をのせ、その上に試料押さえ環をのせる。
③16㎜〜1㎜までの9種類の中から試料に適するノズルを選定する。
※ ノズルを取り付けて吸い込みファンを始動し、傾斜型気圧計の読みを水柱12.7㎜になった時に垂直型気圧計が水柱75〜380㎜の範囲を示すノズルが適当である。
④ノズルを取り付けて吸い込みファンを始動し、加減抵抗器を静かに操作し、傾斜型気圧計の読みが水柱12.7㎜を示した時の垂直型気圧計を読み取る。
⑤同じ試料で5箇所測定し、試験機付属の表で試験片を通過した通気量を求め、平均値で表す。

■ 結果

直径 資料 通器量
16 さらし 188.72
11 金巾 128.15
4 綿ブロード 20.052
4 綿ポリブロード 22.601
4 デニム 13.106







■考察


 このグラフからさらしと金巾が極めて通気量が多いことが分る。特にさらしは約189(cc/cm2/ssc)と非常に多い。
また、それに対して、デニム、綿ポリエステルブロード、綿ブロードは極めて通気量が少ない。特にデニムは約13(cc/cm/ssc)と非常に少ないことが分る。
この結果、通気性の高い試料はさらしであり、逆に通気性は悪いが保温性が高い試料はデニムである。ということが分った。

★ まとめ★

透湿度は1-金巾、綿ポリエステルブロード 3-綿ブロード 4-さらしの順で良く、通気性は1-さらし 2-金巾 3-綿ポリブロード 4-綿ブロード 5デニムで良い。この事から、さらしは、通気性は良いが透湿度が低い。綿ポリエステルブロードは、透湿度は良いが通気性が極めて悪い。このような結果から透湿度と通気性がともに良い金巾が寝具には1番適していると考えられる。