衣環境学

1.化学繊維の分類系統図
化学繊維 chemical fiber (man-made fiber)
  ・再生繊維 regenerated fiber ex)レーヨン、キュプラ
  ・半合成繊維 semi-synthetic fiber ex)アセテート、プロミックス
  ・合成繊維 synthetic fiber ex)ナイロン、ポリエステル
  ・無機繊維 inorganic fiber ex)ガラス、金属繊維

2.マルチン式計測法

[計測器の種類] 2)

①身長計(アントロポメーター)
②桿状計
③触角計
④滑動計


[マルチン式計測法が用いられなくなった理由の考察]

 私が考えるマルチン式計測法が用いられなくなった理由は幾つかある。まず、マルチン式計測法は接触法なので計測が難しかったため、と考えられる。また、胸囲の測り方などを見ると恥ずかしさ等も感じられる。さらに、この道具は立派なケースに入っていてカッコイイけれども、とても重たそうだった。なので、持ち運びに不便だったのではないかと思う。この様な理由から、マルチン式計測法は用いられなくなったのではないかと私は考える。

3.関節や筋肉の働き 3)

[筋の拮抗]

拮抗筋…お互いに正反対の方向に動く筋。

Ex)上腕二等筋は肘を曲げ、上腕三等筋は肘を伸ばす働きをする。
屈筋と伸筋、内転筋と外転筋、回内筋と回外筋は全て、拮抗筋である。

以上の様に一方の筋を支配する神経が興奮する時、それに拮抗する他方の筋を支配する神経は、興奮しないしくみになっている。

4.放熱方法 1)4)

◆放射(R;radiation)
放射…光、熱を外に放出すること。
 放射による放熱では衣服は断熱層の役割を果たす。例えば、暑熱時の帽子や日傘などが良い例です。
最近では、寒冷時に放射熱を取り込みやすい素材の開発により、積極的に衣服気候への利用が考えられています。
◆伝道(K;conduction)
伝道…熱または電荷が物質の中を移動する現象。伝え導くこと。
 衣服材料である繊維の熱伝導率が低い。そして、繊維が糸に、そして布・編物にと段階を経るごとに、熱伝導率が最小である空気を多量に含有する為、布の熱伝導率は繊維そのものよりも小さくなる。また、衣服の設計の仕方、着装方法の工夫によっても空気量の調節が可能な為、衣服は人体を熱的に外界から保護する役割を果たしている。
◆対流(C;convection)
対流…流体の流れによって熱や流体中の物質が運ばれる現象。
 体温により暖められた衣服が境界層の空気に伝道で伝えられ、加熱された人体周囲の空気は流体分子となって熱を運ぶ。
暑熱時は開口部の開放等により、衣服下の対流を促進させ、寒冷時は衣服下に対流を起こさないよう着装方法を工夫し、衣服によって放熱を調節することが出来る。よって、適度の対流により快適感を得ることが出来る。
◆蒸発 (E;evapolation)
蒸発…液体または固体がその表面において気化する現象。
 寒冷時は体温調節上、蒸発による放熱は小であるが、不感蒸泄と呼ばれる蒸発が常に生じている。この不感蒸泄を衣服は吸湿し、外界への蒸発を緩和している。その結果、体温の低下を防ぐことが可能である。暑熱時や運動時は、蒸発する汗を十分に吸湿すると同時に放湿を促進し、さらに透 湿させる衣服の選択が必要となる。また、蒸発せずに噴出した汗を皮膚表面からすばやく吸水し、皮膚表面を清浄に保持するとともに、吸水した衣服が乾燥する時の二次的な蒸発による放出経路も考えられる。

5.産熱と放熱 2)

[説明]
体内で熱を生産することを産熱といい、対外に熱を放出することを放熱という。
体温調節のために発生する産熱量が、体外へ放出される放熱量より多ければ体温は上昇し、少なければ体温は下がってしまう。
したがって、体温が一定に維持されるのは、産熱と放熱のバランスが保たれているときである。
6.ATP 4)

ATPとは]

 (生化)アデノシン三リン酸。


[学習領域]
〜省略〜

7.エクリン腺とアポクリン腺 3)

[エクリン腺]

 汗腺で、毛孔と関係なく皮膚表面に開口し、体温調整のためのうすい汗を分泌する。

[アポクリン腺]

 汗腺で、毛孔に開いていて腋寄、乳輪、肛門周辺に分布し、思春期以後分泌を増す。ここからの汗は濃く臭があり、体温調節の働きはあまりない。

8.SEKマーク 3)

[SEKマークとは]
抗菌防臭加工製品の評価方法や、評価基準について、自主的なガイドラインを設け、1989年に統一基準をクリアーしたものにマークの使用を認めた。
このマークがSEKマークなのである。つまり、効果・耐久性・経口毒性・皮膚刺激生についての品質保証を示している。

※SEKとは繊維製品衛生加工協議会(1983年に通産省の指導のもと、維製品検査書が中心となり繊維加工メーカー、加工業者、アパレル企業、加工材メーカーなど、産・学・官からなる35社が参加して設立され、消費者保護と繊維産業の健全な発展のために活動している団体)の頭文字をとって付けられている。

[色によるSEKマークの違い]

★青色のSEKマーク
   抗菌防臭加工を示している。

★赤色のSEKマーク
   制菌加工の特定用途を示している。

★橙色のSEKマーク
   制菌加工の一般用途を示している。


9.クールビズ 5)6)

クールビズとは「涼しい」や「格好いい」の意味クール(cool)と、仕事や職業の意味「ビジネス(Business)」の短縮形ビズ(BIZ)を合わせた語である。

クールビズは冷房の設定温度を28℃に設定し、空調の電力消費を抑えることで、結果的に炭酸ガスの排出量を抑えることを目的として活用されている。

夏の職場環境では、過剰な冷房が環境問題の「地球温暖化」、「省エネルギー」の観点から重要問題とされた。その原因として夏期のネクタイや背広が指摘される。このような服装は太陽光などの熱が体内にこもりやすく、冷房の設定温度を低くしがちになってしまうのだ。そこで、ネクタイや上着をなるべく着用せず、夏季に約28℃の冷房の適温に対応できる軽装の服装を着用するようなとりくみが行われたのである。このような服装は産熱と放熱の関係を考えたものだと考えられる。夏は暑い為に、多量の熱が生産される。しかし、ネクタイを締めていたりすると、熱は放熱されず、衣服内にこもってしまう。よって、産熱>放熱になりバランスが悪く、快適な体温を維持出来なくなってしまうのである。そして、暑いから、エアコンをガンガンつけてしまう…しかし、ネクタイを外すことにより、上着開口部が開放され対流による放熱が増える。また、上着を着用しないことにより、空気の含有量が減ったことにやっても放熱量は増加する。したがって、産熱=放熱のバランスの良い状態に限りなく近くなるので、冷房は少ししか活用しなくてもよくなるのである。

 夕刊フジとインターネット調査のiMi(いみ)ネットでは、全国の会社員(営業・販売職)2212人を対象に、クールビズに関する意識調査を行った。(2006.07.31紙面掲載)その結果、クールビズの認知度は9割以上と高いということが分かった。しかし、会社レベルで見ると、クールビズを実施している会社としていない会社はほぼ半々であり、また、自分自身は実行していても、相手に不快感を与えるのではという気持ちから、なかなか実行に移せないという声も非常に多いようである。まだまだ、クールビズの浸透には時間がかかるようである。しかし、この取り組みは人の健康的にも、地球環境的にも良い取り組みだと思う。よって、どんどん職場でのクールビズを活用していくべきだと思う。



■参考文献■
1)衣服学
  島崎 恒蔵  佐々木 啓
  朝倉書店(2000)
  PP.21.125.126

2)衣の科学
  綾田 雅子  川上 梅   小菅 啓子  
  笹本 信子  永井 房子  平沢 和子
  相川書房(1993)
  PP.21.22.68

3)プリント
  協力筋と拮抗筋
PP131
  衣服と健康
PP37
  健康・快適繊維開発の最前線
   PP.151〜155

4)広辞苑
  放射、伝導、対流、蒸発
  ATP

5)http://www.yukan-fuji.com/archives/2006/08/post_6566.html

6)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%BA