+7 PETボトルからの溶融紡糸 糸の撚り数と撚り縮み率

★実験日 12/14(木) ★天気  雨 
★気温  18.6℃ ★湿度  73%

1.PETボトルからの溶融紡糸

■目的

PETボトルを溶かして作ったフィラメント糸と
かいこが作る絹とどちらが細いか比べる!

■実験方法

*試料*
PETボトル

*測定項目*
PTEボトルを溶かしてPETフィラメントを10m以上作り、長さを測定し、正精天秤で重量を秤、デニールを計算する。

*方法*
①PETボトルの細片を加熱して、柔らかくする。
②柔らかくなったら急速に引き伸ばす。(紡糸原糸が得られる)
③更に両端から引き伸ばす。(分子鎖を長さの方向に充分配向させる)
④これを10m以上作る。
⑤10m以上作ったフィラメントの長さを正確に測定する。(長さ=L)
⑥正精天秤でその重量をはかる。(重量=Wkg)
⑦作製したフィラメントのデニールを次式で計算する。
  D(デニール) = 9000/L × W/1
⑧蚕が作る絹や合成繊維と今回作ったフィラメント糸を比較する。


■結果

22.5 デニール

■考察

天然繊維で蚕が作る絹で最も細いのは1デニール程度であり、合成繊維も通常の紡糸法では1デニール程度である。それに比べて、今回PETボトルから作ったフィラメント糸は22.5デニールと明らかに太いことが分かる。全て長繊維からできたフィラメントなのに、何故こんなにも太さが異なるのだろうか。
実験に慣れず、初めの方に作った繊維がしっかり引き伸ばすことが出来なかった事が原因だろうか・・・
PETボトルを溶かすまでは簡単だが、そこから引き伸ばす作業がなかなか上手く出来ずに大変だった。急速に引き伸ばすといっても早過ぎても切れてしまうので難しかった。気持ち、少し一呼吸置いてから引き伸ばすと上手く作れるようだ。伸び切ったと思っても、まだまだ結構引き伸ばすことが出来るので、驚いた。しかし、伸び切った感覚がつかめず、フィラメント糸=長繊維なのに、短繊維っぽくなってしまった・・・これもデニールの値が大きくなった原因なのだろうか。
 しかし、実験後半で毛糸のほわほわの様な細い糸が出来たときはとても嬉しく、感動的でした。



2.糸の撚り数と撚り縮み率


■目的

糸の撚り数と撚り縮み率の関係、
上撚りと下撚りの方向が逆になっている謎の解明!


■実験方法

*試料*
ポリエステル糸(三子糸)


*測定項目*
ポリエステル糸を、検撚機を使って解撚し、解撚した時の撚り数と解撚により伸びた長さから伸びスケールを読み取り、撚り縮み率を計算する。


*方法*
①目盛板の短針を10000、長針を100の位置に設定する。
②左側チャックを保持している台の指針を25cmの位置に設定する。
③左チャックを右端に持ってきて、右に倒して固定する。
④糸を両方のチャックにはさみ、固定する。
⑤固定が終ったら、左チャック固定レバーを左に倒し移動可能にする。
⑥ハンドルを半時計回りに回していく。
⑦針を通して糸が解撚したか確認する。
⑧解撚したら、目盛板から撚り数を調べ、伸びスケールを読み取る。
⑨これを10回行い、平均値を求める。
⑩単子で1回やってみる。(ハンドルを時計回りに回す)



■結果


 


■考察

三子糸が上撚りでS撚り、単糸が下撚りでZよりである。三子糸より単糸のほうが、撚りが多くかかっているため、伸びスケールも長くなるし、撚り縮み率も高くなる…という事が分る。
表より撚り数が大きいほど撚り縮み率は大きくなる事が分る。
上撚りと下撚りが逆にかかっている理由は次のように考えられる。同じ方向に撚りがかかっていたら上撚りも下撚りも解け易くなってしまう、しかし、逆方向に撚りをかけることによってお互いに逆方向に戻りたいという動きが生じ、お互いの撚りを解けなく保っているのだろうと考えられる。したがって、上撚りと下撚りは‘お互いの撚りを解けなくするために逆方向にかかっている!’と考えられる。
この考えからいくと、上撚りよりも、下撚りは容易に取れるのだが、上撚りによってきつく閉められていたせいか、なかなか解然できずに大変だった。
また、単子3つで三子糸になるのだから、三子糸は確りしたものが出来るが、単子は1本に撚りをかけたものであるから、確りさせるために十分撚りをかける必要がある?とも考えられる。

    

撚り数の変化は少ないが、伸びスケールと撚り縮み率が大きく異なり、単糸が値が大きいことがグラフからも明らかである。