+9 糸密度 組織図 見かけの糸番手

★ 実験日 1/11(木) ★ 天 気  雪/曇
★ 気 温  15℃     ★ 湿 度   69%


1.糸密度

■目的

たて糸、よこ糸の数から試料の糸密度を調べる!

a)織物計算レンズを使用する方法

■実験方法

*試料*
さらし

*測定項目*
たて糸とよこ糸の本数を測定し、平均値を求める。

*方法*
①織物計算レンズの下に布を置く。
②左手で押さえ、右手でねじを回し拡大鏡を静かに左右に移動しながら3㎝の間にある糸数を指針によって数える。
③異なった3ヵ所で、たて糸、よこ糸の本数をそれぞれについて測定し、平均値をとる。
④結果は1㎝当たりに計算して表示する。
※試料片を切り取る必要は無く、布に織物計算レンズを直接のせてよい。

■結果

■考察

縦糸が1㎝あたり、約18本なのに比べ、横糸は19本だった。
上のグラフからはすごく違うように感じるが、実際は1本しか違わないので、そんなに本数的には違いはないと思う。
しかし、本数を調べていくなかで、上の表からも分かるように3㎝あたり、縦糸は56本以下であり横糸は57本以上である。56本と57本は1本しか違わないが、53本と59本を比べると6本も違うことから明らかに縦糸よりも横糸の方が多いことが分かる。


b)簡便法

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、
各試料片2.5×2.5㎝を使用する。

*測定項目*
試料をほぐし縦糸と横糸の本数を数え1㎝あたりの本数を調べる!

*方法*
①各試料2.5×2.5㎝を4枚ずつ切り取る。
②たて糸、よこ糸をほぐしながら糸の本数をそれぞれ数える。
③4枚の試料片のそれぞれの糸数の合計を計算する。
④1㎝間のたて糸数、よこ糸数として表す。
※縫い糸を使い、ほぐすとほぐし易い。
※各試料について全てのたて糸、よこ糸は秤量瓶に入れ(秤量瓶の番号と試料名、たて糸、よこ糸を必ずノートに記入する)


■結果

 

■考察

さらしはa)の実験と同様に横糸は縦糸より1本多い。
しかし、グラフから分かるように、ほかの試料はさらしとは異なり、横糸よりも縦糸の方が多い。
試料別に見ると、綿ポリエステルが、一番糸密度が高く綿ブロード、金巾、さらしの順に低くなる。綿は糸密度が高いようである。
さらしは縦と横の本数の差はほとんど無いが、糸密度が高くなるにつれて縦糸と横糸の本数の差は増していくことが分かる。


2.見かけの糸番手

■目的

見かけの糸番手を計算し、その結果から糸の太さを調べる!

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、
実験b)で使用した各試料片を使用する。

*測定項目*
縦糸と横糸の本数N、長さL、重量Wf、番手Sをそれぞれ計算して求める。

*方法*
①糸を秤量瓶に入れ重量を精密天秤で測定する。
②糸を取り除き秤量瓶の重量を精密天秤で測定する。
③下の式から糸全体の重量を求める。(Wf)
糸を秤量瓶に入れた重量−糸を取り除き秤量瓶の重量
④抜き取った糸の本数をN本とし、初めに切り取った試料の長さ2.5(㎝)とNの積から一本の糸の長さL(㎝)が求められる。
L=2.5×N
⑤③で求めた糸全体の重量(Wf)はLに対応するので、見かけの糸番手(英国式)は次のようになる。
※453.6gの重量で768.1mあれば1番手である
S(見かけの糸番手)=0.591(L×10−2/W)

※糸を織ったことによる縮みがあるので、正確には抜き取った糸を引
き伸ばした状態でその長さを測定しなければならないが、ここでは無視する。

■結果


 
■考察

上のグラフから分かるように、綿ポリエステルブロードが、一番番手数が大きく、少し少ないのが、綿ブロードである。そして、金巾、さらしの順に番手数は少ないことが分かる。綿ポリエステルブロード、綿ブロードは40よりも多いが、それに比べて金巾、さらしは大きく下回っていることが明らかであるたて糸と横糸はほとんど同じであるが、金巾のみたて糸よりもよこ糸のほうが見かけ上の番手数が大きいことが分かる。
したがって、綿ポリエステルブロード、綿ブロードの番手数が多いことから綿が含まれる糸は細いのではないだろうかということが分かる。そして、縦糸と横糸ではそんなに変わりは無いが、わずかに横糸の番手数が多く、金巾は極めてたて糸よりもよこ糸の番手数が多いことからたて糸よりもよこ糸の方が細い!?と考えわれる。

3.組織図

■目的

組織図から金巾とデニムの織り方を調べる!

■実験方法

*試料*
金巾、デニム

*測定項目*
実体顕微鏡を使い、組織図を読み取る。

*方法*
①試料の上に実体顕微鏡を置く。
②組織図ますめ様に書く。
※織物のたて糸がよこ糸の上になっている点を黒く塗り、たて糸がよこ糸の下になっている点を白く残す。
③完全組織図を赤線で囲む。

■結果
    金巾
              
    デニム
      


  
■考察

 結果の組織図からわかるように、金巾は平織りであり、デニムは斜紋織りである。斜紋織りは普通表からみると、右上に斜紋が伸びている、しかし、デニムの場合は裏から見ることが多く、左斜め上に斜紋が伸びている。
 平織りは目が細かいことから、薄くてしっかりとした生地をつくるのに適している。また、平織りは裏表が無く単調である。そのため、糸の太さや撚り数、密度を変化させて外観を変えることも出来る。
 一方、斜紋織りは平織りに比べて交差が少なく、地質が厚くやわらかい生地が出来る。糸はずれやすいが、目をつめることが出来るので、目のつんだ密な織物を作るのに適している。これによって、ほこりの侵入を防いだり、空気を通しにくくて保温性を高めたりという効果をもっている。