+8 カンチレバー法 スライド法 ハートループ法 ドレープ法

★実験日 12/21(木) ★天気  晴れ 
★気温  16℃      ★湿度  67%


1.カンチレバー

■目的

押し出された長さから、試料の剛軟度を調べる!

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、
各試料片2×15㎝を使用する。

*測定項目*
水平台においた試料片のスケール(a)を測定し、試料片が折れ曲がり、先端中央部が斜面に接した時の他端の位置(b)を読み取る。
(a)−(b)から押し出された長さを測定し、剛軟度を調べる。

*方法*
①45°の斜面のある水平台の上に試料片をおき、スケールに合わせて正確に(a)点を読み取る。
※上に重りをのせると試料片が屈曲しなく測定しやすい。
②試料片を屈折しないよう、静かに滑らせる。
③試料片の先端の中央点が斜面に接するまで押し出す。
④この時の他端の位置(b)を読み取る。
⑤(a)−(b)を計算し、押し出された長さ(㎜)を求める。
⑥押し出された長さから剛軟度を調べる。

■結果

 

■考察

グラフから分かるように、縦と横では縦のほうが横よりも押し出された長さが長いことから、縦は横よりも硬いことが分かる。
また、試料ごとに見た場合、縦はほぼどの試料も同じような剛軟度であるが、綿ポリエステルのみ、わずかに1㎜短いことから、綿ポリエステルが他の試料より柔らかいことが分かる。横はさらし、綿ブロード、綿ポリエステルはほぼ同じ剛軟度だが、金巾のみ飛び抜けて押し出された長さが短いことから金巾が極めて柔らかいことが分かる。
したがって、総合的に見たところ、横よりも縦のほうが硬く、金巾の横が極めて軟らかいことが分かった。


2.スライド法

■目的

試料が移動台から離れようとするときの
たわみぐあいから、試料の剛軟度を調べる!

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、
各試料片2×15㎝を使用する。

*測定項目*
試料が移動台から離れようとするときのたわみぐあいから、たわみδを調べ、G=W l4/8δから試料の剛軟度を測定する。

*方法*
①移動台の上端を一致させ、試料片をおく。
②試料台の一端からの試料片の長さを試料長l(10㎝)に合わせる。
③わずかに重りの一部が移動台の方に出るように重りをのせる。
④試料台を静かに降下させて試料片の端(自由端)が移動台から離れようとするときの試料片のたわみδを読み取る。
⑤同一の試料から平面重(g/㎝2)を測定し、次式で、剛軟度を算出する。

■結果

■考察

剛軟度が縦よりも横のほうが高いことから、縦よりも横のほうが軟らかいことが分かる。
試料別に見ると、綿ブロード、綿ポリエステル、さらし、金巾の順に硬いことが分かる。しかし、金巾以外は縦と横が同じくらいの比率で横よりも縦が硬いのに、金巾は縦横共に同じ剛軟度であることが分かった。


3.ハートループ法

■目的

ループの長さから、試料の剛軟度を調べる!

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、
各試料片2×25㎝を使用する。

*測定項目*
試料をつかみに取り付け、1分後のつかみの上端とループ最下部との距離を読み取り、10枚の平均値を測定する。

*方法*
①両端をそろえて、つかみに取り付ける。
※つかみと試料の端を揃え、横から見てハート型になるようにする
②1分間放置する。
③つかみの上端とループの最下部との距離(l㎜)を測定する。
④10枚の平均値から剛軟度を調べる。

■結果

■考察

 上のグラフから、明らかに縦よりも横のほうが上端と最下部との距離が長いことが分かる。よって、縦よりも横のほうが極めて軟らかいことが分かる。
 縦横共にさらし、綿ブロード、金巾の順に軟らかくなっているが、唯一、綿ポリエステルだけが縦は一番硬く、横は綿ブロードよりも軟らかく、金巾よりも硬い。なぜ、綿ポリエステルだけ縦と横で硬さが違うのだろうか。


4.ドレープ法

■目的

ドーナツ状の紙の重さと花形の紙の重さからドレープ係数から、
試料の剛軟度を調べる!


■実験方法

*試料*
シーチング、モスリンベンベルグ
各試料片、直径25.4㎝の円形のものを使用する。

*測定項目*
試料台上に試料をのせてドレープ形状を写し、ドーナツ状の紙の重さと花形の紙の重さからドレープ係数を測定する。
また、こぶ(node)の数を調べる。

*方法*
①ドレープテスタの試料台の上に試料片を取り付ける。
 (測定面を上にして取り付ける)
②試料台の下に紙を置く。
③1分間静置する。
④三角定規を放射状の線上に垂直に立て、試料片のドレープ形状を紙上に写す。
⑤a線とb線にそって切り取り、ドーナツ状になった紙の重さを直示天秤で測る。(A)
⑥c線にそって切り取り、花形をなった紙の重さを測る。(B)
⑦A、Bから次式からドレープ係数を求める。
 ドレープ係数=B/A
⑧こぶ(node)の数を調べる。

■結果

■考察

 調べた中では、ベンベルグが、一番ドレープ係数が小さいことから、軟らかいことが分かる。そして次は、シーチング、モスリンの順に軟らかい。
 また、こぶの数と比べると、シーチングとモスリンは5つなのに対して、ベンベルグのみ、6つである。グラフからも分かるように、シーチングとモスリンのドレープ係数は近いが、ベンベルグのみ明らかにかけ離れている。よって、試料が軟らかいほど、こぶの数が多いことも分かる。