+10 含気率 布の保温率

★ 実験日 1/18(木) ★ 天 気  雨/曇
★ 恒温恒湿室    気温  20℃   湿度  65%


1.含気率

■目的

含気率から冬に適した衣服の試料は何か調べる!

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード、金巾、
10㎝×10㎝の試料を使用する。

*測定項目*
布の重量、厚さから見かけの比重を求め、繊維の比重と比較して、
含気率を測定する。

*方法*
①試料の重量(Wwet)布と厚さ(T)を求める。
※厚さは繊維用厚さ測定器用いて5ヶ所以上測定して平均値を求める。
②次の式を使い、見かけの比重(ddry)布を求める。
ddry = {(Wwet)布/10×10×T}×{100/100+Re}
    = (Wwet)布/T×(100+Re)
※水分率(Re)の綿ポリ以外は8.5%
綿ポリは(d1a+d2b)/100  d1, d2:比重 a ,b: 試料の比率(%)
③次の式で、充てん度(P)を求める。
P=(ddry)布/df
④次の式で、含気率(%)を求める。
含気率(%)=(1−P)×100

■結果

■考察

 含気率は全て65%を越えている。そして、この試料の中ではさらしの一番含気率が高く、試料に含まれる空気の量が多い。そして次に金巾が多く、綿ブロード、綿ポリエステルの順に少なくなる。さらしは目が大きいために隙間から空気が多く入るために含気率が高いのであろう…と考えられる。また、綿は目が細かいために、含気率が低いのだと考えられる。
 衣服の中に空気が多く含まれたほうが暖かい、という考えからいくと、さらしが一番暖かく、冬に適した素材を言える。しかし、空気が含まれるということは、空気が入ってくるという考えからいくと、さらしは通気性がよく寒く冬には適していないとも考えられる。


2.布の保温率

■目的

保温率から冬に適した衣服の試料は何か調べる!

■実験方法

*試料*
綿・ポリエステル混紡ブロード(綿35%ポリエステル65%)、
さらし、綿ブロード

*測定項目*
試料付けていない場合の36度〜35度に下がるまでの時間と試料付けた場合の36度〜35度に下がるまでの時間を測定し保温率を計算する。

*方法*
①試料を取り付けずに電源のスイッチを入れる。
②ウォータースイッチを500Wに入れ、水温が32度付近になったらヒータースイッチを250Wに切り替える。
③自動温度調節によって36度に保たれる。

④温度支持スイッチを入れ、切り替えスイッチをUPの位置に切り替える。
⑤高温体の温度が上昇し、36度になるとヒーターは自動的に切り替えブザーが鳴る。
⑥切り替えスイッチDOWNに切り替える。
⑦送風スイッチを入れ、冷却する。
⑧高温体は余熱により更に温度が上昇し35度に達する。
⑨自動的に装置が秒読みを行い、その後、降下し再び36度に達する。
⑩36度〜35度に下がるまでの時間が装置に表示される。
⑪切り替えスイッチをUPにし、送風を停止する。
⑫再びブザーがなったら、上同様の操作を繰り返し、少なくとも3回測定し、平均値をとる。
※この平均値をt0とする

⑬試料を取り付け、同じ操作を繰り返す。
⑭そのときの平均値を求める。
※この平均値(秒数)をt1とする
⑮続いて試料を交換し、同様の指定された試料を全て行う。

⑯次の式から保温率を求める。
{(t1―t0)/t1}×100

■結果

■考察



 このグラフから分かるように、綿ポリエステルが、明らかに保温性が高いことが分かる。含気率の実験では綿ポリエステルは試料中に含まれる空気の量は少なかった。しかし、空気は含まれなくとも、空気が入らない=衣服中の温度も逃げないのではないだろうか。だから綿ポリエステルは保温性が高いのだと考えられる。それに比べて、綿ブロード、さらしは格別、保温率が低いことが明らかである。
 よって、冬に適した衣服の素材は綿ポリエステルである。