2-2羊毛の構造と性質

 羊毛というのはたんぱく質で構成させているので、『髪の毛』と同じ構造です。なので、勿論多くの人が知っている“キューティクル”を持っています。
図1 図2  図3


 毛というのは、周りにキューティクルがあり、中はコルッテックスという組織が詰まっている。(図1)
 コルッテックスとは、マクロフィブリルが集まって出来たものである。そして、マクロフィブリルはマトリックスが集まって出来たものであり、マトリックスはミクロフィブリルが集まって出来たもの、ミクロフィブリルはα‐へリックスが集まって出来たものなのである。つまり、毛はα‐へリックスとキューティクルによって構成されていくのである。(図2)
 そして、キューティクルは鱗のようなつき方をしている。そのため、表面に水滴が付いても弾く、撥水効果がある。しかし、繋ぎ目からは水蒸気が入り吸湿効果があり、出口がなくコルッテックスの空間に水蒸気がたまる、保水効果もあるのである。(図3毛の断面)このような効果があるため、キューティクルは外側(図3茶色の部分)は水を弾く疎水性であり、内側(図3白い部分)は水になじみ易い親水性なのである。また、この内側部分は細胞複合体とも言い、水を含み易く、伸び縮みする性質を持っている。