7-7双極性・無極性分子と汚れ

原子核には陽子と中性子があります。中性子とは電荷を持たないものを言います。
中性子中性子同士ではくっつきません。また、陽子も陽子同士ではくっつきません。
しかし、中性子と陽子はくっつきます。それに関係するのが核力です。
陽子と中性子の間に働く力を核力と言います。陽子と中性子が離れている場合には核力によって両者は引き合います。そして、陽子と中性子が近づきすぎている場合には核力によって非常に強く反発します。


 また、分子にはプラスとマイナスのものによって構成されています。分子はプラスとマイナスかかたよっているのがあるとくっつくという性質をもっています。これは汚れにおいてとても重要です。無極性分子は汚れが落ちにくいです。
 また、+−がかたよっていても重心が同じであると無極性分子となります。例えば、水、アンモニア、などの双極子がそうです。
 他にも、分子には分子振動というものがあります。これによってまた、重心が変わってきます。例えば、二酸化炭素は対象振動の場合は無極性分子ですが、逆対象振動や変角振動を行うことによって双極性分子となります。無極性分子でも振動によって無極性分子でなくなることもあります。
 つまり、分子と分子が結びつく、そこに分子振動か関わってくるのです。


●汚れとエネルギーの関係
下のグラフはポテンシャルエネルギーを表しています。(ポテンシャルエネルギーとは位置エネルギーのことを表します。)
グラフ1は粒子間の相互作用エネルギーと距離との関係を表しています。
縦軸がエネルギーの大きさを表し、エネルギーは大きければ大きい程不安定になり、小さければ小さい程安定します。横軸はよごれとよごれやよごれと生地の距離を表しています。
グラフ1

 グラフ2は布と粒子の相互作用総エネルギーと距離の関係の模型図です。
BからCまでか水だけで汚れを落とすのに必要なエネルギーです。B’からC’までが界面活性剤を用いて汚れを落とすのに必要なエネルギーでる。このエネルギーとは洗濯機を動かす動力ともいえます。このグラフから分かるように、界面活性剤を用いることによって少しのエネルギーで汚れを落とすことが出来るのです!
グラフ2

 おまけ☆
グラフのOD距離を結合距離、DC距離を結合エネルギーという♪
グラフ3